三東工業社CLTオフィス
陶芸の街として有名な滋賀県甲賀市信楽町に計画されたこの建物は、この場所を創業の地とする建設会社の事務所建築である。この建物は、平成28年4月に施行されたCLT(Cross Laminated Tinber)の建築基準法関連告示に準拠して、「CLTパネル工法」によって確認済書を取得した国内第1号物件である。原材料には滋賀県産材の認証材である「びわ湖材」を100%使用しており、CLTによる森林資源の有効活用、林業全体の活性化、さらには滋賀県の山を豊かにする事によって琵琶湖の水を育むという大きな循環の創造がこの事業の目的である。「CLTの断面をみせる」、「CLTを現しで仕上げる」、「CLTを曲線で使う」という3つのコンセプトをもとに、CLT独自の空間表現の可能性を探求した。大判のCLTパネルから自由な形状が切り出せる特徴を活かして、アーチ型のフレームを連続させることにより、ヴォールト状の柔らかく暖かみのある事務空間をデザインした。また外観にも現れる連続アーチが信楽の登り窯のある原風景を連想させる事で、地域住民にとっても親しみのある建物になるのではないかと考えた。
用途 |
事務所 |
所在地 |
滋賀県甲賀市 |
構造・規模 |
木造(CLT工法)・平屋建 |
面積 |
110.00㎡ |
竣工 |
2017年 |
施工 |
(株)坂田工務店 |
写真 |
杉野 圭 |