北白川の住宅
京都市北白川の「風致地区」、「景観条例」、「がけ条例」のかかる制約の非常に厳しい場所での二世帯住宅の計画。将来的な親世帯の賃貸化も想定して、1階の親世帯と2階の子世帯は玄関から設備まで完全に分離独立させているが、各玄関を広い玄関ポーチで繋ぐことによって、世帯間の行き来が容易で顔も合わせやすい配置とした。各世帯ではそれぞれプライバシーを確保しつつ周辺の豊かな自然環境を楽しめる事を意識して計画した。1階の親世帯については既存の庭の植栽を可能な限りそのまま保存して親しみのある風景を新しい空間にも引き継ぐ事で、新たな日常に安心感を得ることができるのではないかと考えた。また、2階のリビングにはテラスを隣接させて、見慣れた近景と今まで見ることができなかった東山の遠景を同時に楽しむ事が可能となった。
「親しみ」と「新しさ」あるいは「近さ」と「遠さ」のバランスを丁寧にデザインする事で、世代の異なる二世帯が一つ屋根の下で程良い距離感を保ちつつ快適に暮らせるのではないかと考えた。
用途 |
専用住宅(二世帯住宅) |
所在地 |
京都府京都市 |
構造・規模 |
木造・2階建 |
面積 |
173.55㎡ |
竣工 |
2018年 |
施工 |
(株)北口 |
写真 |
杉野 圭 |