「建築協定」「地区計画」「緑化協定」「建築条件付」といった大規模分譲地固有の規制が非常に厳しく定められた敷地において、施主が望む「シンプル」で「個性的」な住宅をいかに実現できるかが課題となった。
外観は、建築協定の1.5mの壁面後退と3寸以上の両勾配屋根をそのまま受け入れ、軒、庇、樋といった壁面の凹凸を可能な限りそぎ落とし全体をモノコックな「家型」とした上で、南北にテラスを家形からかき取った。内部は、ハウスメーカー規格の柱割を守りつつ、1.5階分の高さを持つリビングダイニングを中心に、諸室の天井の高さを変える事で、ワンルーム空間の中で各諸室を緩やかに分節する事を試みた。また天井高さの違いによって生じた上下階のズレからは、光、風、視線、家族の気配が様々な方向に通り抜け、一体感と複雑性をあわせ持つ空間となっている。
用途 | 専用住宅 |
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所在地 | 滋賀県甲賀市 |
構造・規模 | 木造・2階建 |
面積 | 122.25㎡ |
竣工 | 2007年 |
施工 | 住友林業(株) |
写真 | 杉野 圭 |
滋賀県大津市大萱・1-7-3-1208 | |
077-544-1963 | |
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