
緑豊かな市街化調整区域内に計画された、80床のユニットケア型特別養護老人ホームである。外部環境を取り込んだ開放感と、安全に生活できる為のある程度閉じられた安心感の両立が重要であると考え、エントランスピロティ、中庭、屋上テラスといった半屋外空間を有効に配置した。エントランスピロティは、十分な広さを持つ軒下空間として、面会に訪れたご家族やデイサービスの利用者が天候に関係なく快適に建物に出入りできる車寄せとなっている。また各ユニットに面して配置された中庭は、自然光、風、周辺の自然の気配を各ユニットに取り込む為に重要な役割を果たしている。そして2階に設けられた屋上テラスは、施設利用者が安心して外の空気に触れられる場所となり、さらには夏祭りなどのイベントを開催して地域住民とのふれあいの場所としても利用されている。
建築の外観は、居室内からの眺望に配慮しつつ複雑な敷地形状と建物形状とを注意深く呼応させながら、できるだけ周囲に対して小さなボリュームに見えるように心がけ、外壁にも茶褐色で凹凸の大きいタイルを使用することにより、周辺環境にとけ込むような建物になる事を意識した。
| 用途 | 特別養護老人ホーム |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県草津市 |
| 構造・規模 | 鉄筋コンクリート造・2階建 |
| 面積 | 3978.26㎡ |
| 竣工 | 2010年 |
| 施工 | 日本国土開発(株) |
| 写真 | 杉野 圭 |
| 滋賀県大津市大萱・1-7-3-1208 | |
| 077-544-1963 | |
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