大阪府枚方市にて、ドイツから塗装機械を輸入販売する企業の新社屋の計画である。敷地は非常に交通量の多い幹線道路に面しており、建物への振動と騒音の対策が求められた。そこで鉄骨造の柱を通常の計算よりも太くして建物の制震性能を高めると共に、事務スペースを前面道路からできるだけ離す事で騒音に配慮した。建物の構成としては、まず眺望の良い最上階の4階の幹線道路側に大小2つの会議室、幹線道路の反対側に事務スペースを配置した。3階にはリペアルームと荷捌室があり、1階に2層吹抜けのエントランスホール及び倉庫と、この建物で最も大きな空間となる大型の粉体塗装機械のデモンストレーションを行う為の天井高9mのテストルームがあり、テストルームを一望できるガラス張りの商談室がテストルームの大空間に浮いている。
ドイツワグナー社のコーポレートカラーである黄と黒を基調に、シンプルな形状の建物にメリハリと躍動感を与えるような配色を意識した。コーポレートカラーを建物の内外で大胆かつ緻密に取り入れる事によって、対外的にはブランドイメージの表現と企業の知名度を上げる事に、従業員に対してはエンゲージメントの向上とナレッジワーカーの育成に寄与する事を期待している。